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株式会社IHIエスキューブ 様

RaLCとWMSを連携した独自ソリューションを拡大。お客様への付加価値の高い提案と、シミュレーションスピードの大幅アップを実現。

株式会社IHIエスキューブ
設立/1997年7月
資本金/2億6,000万円
本社所在地/〒104-0028 東京都中央区八重洲2-9-7(石興ビル本館)
従業員数/613名(2010年4月現在)
事業内容/平成15年4月、IHIシステムズと石川県システムテクノロジーが合併し設立。情報通信技術、制御エレクトロニクス技術、メカトロニクス技術を中心とするソリューションを提供している。

航空宇宙・船舶・情報通信などで躍進を続けるIHIグループのIT部門を集約し、2003年4月に設立された株式会社IHIエスキューブ。IHIグループとしての物流の制御・情報システムとともに、IHIエスキューブ独自のシステムである倉庫管理のウェアハウスマネジメント(iS-WMS)を中心とした販売展開、さらに物流センターのリプレース事業などを積極的に展開している。
iS-WMSは、IHIグループの技術を凝縮した倉庫管理システムとして、倉庫内の「入出荷作業の簡素化」「誤出荷防止」「作業時間の短縮」など作業効率化やコスト削減につなげている。中でも、人や時間の管理に欠かせない庫内作業シミュレーションとして、シーイーシーのRaLCを導入。2006年から、iS-WMSの拡張ソリューションとして、物流センターを持つお客様向けに、作業時間や人員予測、在庫再配置後の作業時間予測、物流ABC分析などによるお客様への提案ツールとして成果をあげている。

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導入前の課題 / 背景

海外製にないRaLCの検証精度。WMSを連動させ、競合他社との差別化を実現

株式会社IHIエスキューブ 営業部長 野口 雅弘 氏

株式会社IHIエスキューブ
営業部長 野口 雅弘 氏

IHIエスキューブでは、RaLCを活用するにあたって、2つの点で期待を寄せていた。同社営業部の野口部長は、「まず1つ目は、親会社のIHIが物流センターを構築してお客様に提供する際、IHIエスキューブから定量・定性的なデータとともに、実際のセンターを3Dで再現します。それにより、期待以上の成果に結びつけ、商談獲得に貢献することが狙いです」と語る。以前、同社では海外製のシミュレーターツールなどを使っていた。しかし、その方法で目的を果たそうとすると、「どうしても正確な数値や予測を導き出せなかった」という。そのため、物流センター全体の能力検証を行い、マテハンなどの設備機器や要員、レイアウトなどの最適化を検証できる方法を模索していた。
「当時こうした悩みを抱えていたころ、我々のビジネスにぴったりなシミュレーターがあることを知りました。それがRaLCです。そこで、新規建設予定の物流センター、FAラインのシミュレーションに加えて、お客様への提案ツールとして活用できそうだと考え、導入を決めました」と野口氏は振り返る。
2つ目として期待していたのが、RaLCそのものを同社の製品・サービスとコラボレーションして販売するということだった。同社情報システム部の藤村氏は、「私たちが展開するWMS製品(iS-WMS)にRaLCを組み込むことで、付加価値をつけて競合他社との差別化を図ることを模索していました」と語る。このように同社は2つのポイントからRaLCに期待を寄せていた。


導入効果

ボトルネック箇所の「見える化」により、大規模センター建設受注に成功

現在、RaLCを活用している営業部門では、提案資料(建設図面、シミュレーション画面など)を作成し、IHIの商談獲得につなげる「営業支援ツール」として利用している。その多くは、IHI本体からの提案依頼のため、大規模なシミュレーションモデルが多いのが特長だ。大規模冷凍通販配送センターの能力検証においては、「大規模コンベアの能力最大化」「目標スループット達成」「ボトルネックの改善」などの課題に対し、RaLCを使って解決策を導くことができた。シミュレーション機能を最大限に活用し、コンベア速度や保管能力の見直しを行うことにより、ボトルネック箇所の解消に役立ち、結果として大規模センターの建設受注につながった。

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3Dモデルによる図面の見える化によってボトルネック箇所の早期発見や運用改善などを提案に結びつけ、お客様からの高い信頼を得ている。


今後の展望

業務の効率化と提案の差別化に大きく貢献。RaLCのさらなる活用が広がる

株式会社IHIエスキューブ 第二ソリューション事業部 第三ソリューショングループ 藤村 英和氏

株式会社IHIエスキューブ
第二ソリューション事業部
第三ソリューショングループ 藤村 英和氏

同社ではRaLCを活用したさらなる展開も視野に入れている。野口氏は、「最近FAラインの構築にRaLCを使えないかという要望が増えています。生産管理と連動させたシミュレーションなど、工場系のお客様にも良い提案が持っていけると思います」と話す。プレゼン効果の高いアニメーションの使い方など、RaLCの評価が高まっているといいます。藤村氏も、「RaLCは扱い方がとても簡単なため、社内での提案資料の作成でも積極的にRaLCを活用しています。パソコン上で現場の人やモノ、機械の動きが見えるので、どこを改善すればいいか、どこがラインのボトルネックなのかが一目瞭然です。ラインが詰まってしまうケースが起きるシーンでも、お客様がパソコン上で一目で分かる点が素晴らしいと思います」と付け加える。
物流センターのイメージを提案する際、従来紙ベースの資料では十分伝わらないこともあった。RaLCのリアルな動きを再現できることがポイントになっている。例えば、設計図面にプラスしてRaLCをプレゼン時に動かすという使い方もできるため、お客様の反応もよく評価が高いという。「提案の機会をいただいてから時間が足りない時でも、速やかに対応できる営業の強い武器(ツール)として活用できるため、とても便利です。今後も提案ノウハウを蓄積していきながらRaLCを使いこなし、商談拡大につなげていきたいと考えています。シミュレーションだけでなく、施設建設後の運用改善にも広げていきたい」と野口、藤村の両氏は夢を膨らませています。

※ 文中に記載の会社名、役職名等は取材当時のものです。

RaLC導入の背景
  • 提案時における競合他社との差別化を図りたかった。
  • RaLCを利用するまでは、設計図面や二次元で作成していたため、ベルトコンベアの配置、人やマテハン機器の動きなどを説明するのが難しく、伝わりにくかった。
RaLC導入のポイント
  • 機能や操作性に優れ、目的に応じて利用できる利便性があること。
  • 実際に動いて人や物、機械の動きが三次元で現場を臨場感たっぷりに表現できること。
  • 小中規模施設から大規模センターまで柔軟に表現できること。
RaLC導入の効果
  • 大規模センター建築の受注獲得向上につながった。
  • センター運営時のボトルネック箇所の解消や、建築後の運用改善などトータルソリューションにつながっている。