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京葉流通倉庫株式会社 様
京葉流通倉庫株式会社
設立/1996年6月1日
資本金/90,000千円
本社所在地/〒335-0015 埼玉県戸田市市川岸3-9-4
従業員数/180名(2009年6月現在)
事業内容/物流システム開発・販売(サード・パーティー・ロジスティックス事業)倉庫業及び倉庫リリース業
貨物自動車運送業 流通加工 物流機器販売ほか
1968年の創業から40年以上にわたり、物流センター運営システムの独自開発、EDI化(企業間の電子化情報交換)の推進、総合物流システムの構築などお客様の個別ニーズに合わせた戦略的な物流システムを開発・提供する京葉流通倉庫株式会社。企業の流通機能を一括して請け負うアウトソーシングサービス、いわゆる3PL事業を手がけています。同社の強みの一つは、インターネットを活用した書籍向けロジスティクスシステム「K-WEB」。2002年に同社が開発した独自のシステムで、パソコンや携帯電話を通じて出版社と書店側の双方で在庫をチェックし、お客様の出荷や発注手続きを支援しています。
出版業界はサプライチェーン・マネジメント(SCM)の徹底などが遅れがちとの指摘もあるなか、京葉流通倉庫では独自システムの活用で需要を取り込めると判断。2005年には延べ床面積3万6,400㎡の出版向け物流センター(埼玉県戸田市)を開設しました。30年余の経験と実績から培われた倉庫業務・配送業務・情報システム開発力のノウハウで運送業、物流業のベストパートナーとなり、標榜する「お客様と共に考え共に発展する」を柱に提案型営業を展開しています。
2008年7月には千葉県市川市に自動車用タイヤ保管を中心とした市川ロジスティクスセンターをオープン。同センターをRaLCでシミュレーションし、リアルなセンター内の動きや人、モノ、設備機器のレイアウトを再現することに成功しました。
導入前の背景
モノを選ぶ物流の仕事において私たち3PLの期待と可能性は広がっている
昨今の厳しい市場環境の中、物流業界は発注元からのコスト削減要求と同業者内の競争激化といった大きな影響を受けています。同社においても例外ではなく、生き残りのためにはコスト削減などによる経営効率の向上とともに、他社と異なるサービスの創出が求められていました。このような環境の中で、物流コストの把握とその内容分析や、発注元となるお客様を獲得するための強い提案力が必要でした。
「モノを運ぶのが物流の仕事とはいっても、私たち3PLの業務は決して単純なものではありません」と語るのは営業本部システムグループ デパートメントマネジャーの飯塚 雄一氏。本来、ロジスティクスはモノの輸配送ばかりでなく、それに伴うハード、ソフトを含めた設備と仕組み全体を意味する。このため、多業種にわたる物流センターの入出荷から在庫管理業務にいたるまで、トータルな物流システムとそれにともなう情報システムの効率化が求められていました。
導入の理由
物流センターの業務改善や競合他社との差別化に期待
飯塚氏は、「当社の仕事は単純にトラックとフォークリフトを使った仕事だけにとどまらず、社員やパートタイマーなど数百人の人手を適材適所に配置したり、時間やコストを考えながらコントロールしていくことがとても重要です」と語る。実際に同社の業務は経験と勘に頼る部分が少なくないという。
倉庫内で棚やカゴ車などのレイアウトや配置を経験に頼ることも多く、こうした作業の見える化を検討していました。そんな折、2008年3月、千葉県市川市に新たなセンター開設の話が浮上。そこで以前から関心の高かったRaLCを使うことで正確な検証と数値化ができればと期待し、導入が決定しました。
2008年7月に開設した市川ロジスティクスセンター。RaLCを使ってセンター内をモデル化し、検証を実施した。
市川ロジスティクスセンターの作業要員の稼働状況をRaLCでシミュレーションしたレポート。
導入の成果
新規顧客獲得のプレゼンテーションツールとして可能性が膨らむ
通常、新規取引の場合、実際の仕様がなかなか決まらないことも少なくありません。同社でも、運用が始まってから短期間のうちにセンター内のレイアウトや要員配置などを調整しています。しかし、昨今複雑化する物流業務のセンター運営において、お客様に代わって物流業務を一括で引き受け、業務の効率化ひいては物流コストの削減につなげていく提案が不可欠となっています。例えば、お客様の入札条件として、「2、3か月で物流センターを立ち上げたい」といったケースも珍しくなく、当然対応できる会社とそうでない会社が出てきます。市川ロジスティクスセンターのケースでは、京葉流通倉庫の蓄積した経験とノウハウによって提案から本稼働までわずか2ヶ月という短期間で導入を可能にしました。
「こういったツールがなく、外部にアウトソーシングしていたのでは間に合わない。当社ではRaLCという強い『武器』があるので、厳しい条件の時ほど強みが出ている。常に改善提案していく積極的な姿勢が競争他社との差別化につながっていると考えています」(飯塚氏)。
今後の展望
業務の効率化と提案の差別化に大きく貢献。
RaLCのさらなる活用が広がる
同社はシーイーシーが実施している認定技術者制度を積極的に受講し、数名の技術者がRaLCの専任技術者として活躍しています。今後はさらにメンバーを増やしていくとともに、新規顧客獲得に向けてRaLCを使ったプレゼンテーションを活用していくことを計画しています。その用途の一つとして、物流センターのイメージをリアルな動画とビジュアルで表現することによって、競合他社の提案にはない差別化を図ろうとしています。飯塚氏は、「お客様ごとにジャストフィットした物流システムを柔軟にカスタマイズして提案することで、新規案件の獲得につながり、さらに顧客満足度の向上にも貢献できると考えています。さらに、WMS(倉庫管理システム)との連携も視野に入れ、将来に向けた当社の成長に欠かせないツールとしてRaLCが果たしていくはず」と期待を寄せています。
※ 文中に記載の会社名、役職名等は取材当時のものです。
RaLC導入の背景
- 自社物流センターの出荷能力、最適な作業要員の配置が把握しづらかった。
- 自社センターのレイアウト経験と勘に頼っていた。
RaLC導入のポイント
- 図面だけでは分かりにくい物流センターのレイアウト、人や機械の動きが検証できること。
- 荷主獲得のためのプレゼンテーションツールとして競合他社との差別化が図れること。
RaLC導入の効果
- 新規顧客獲得するためのプレゼンテーションツールとして効果を実感。
- 新規物流センター建設時における精度の高い検証を実現。