TOP

導入事例導入事例一覧へ

日立化成工業株式会社 様

“設備機器台数を15%減らしても、目標生産数を達成できるか―”
この仮説を“確信”に変えたのがシーイーシーの「RaAP」でした。

日立化成工業株式会社
設立/1962年10月10日
代表者/代表執行役 執行役社長 田中 一行
本社所在地/東京都新宿区西新宿二丁目1番1号(新宿三井ビル)
従業員数/4,015人
事業内容/機能材料(電子材料・無機材料・樹脂材料・配線板材料)
先端部品・システム(自動車部品・電子部品・その他)
URL:http://www.hitachi-chem.co.jp/

導入の背景

CAP-Doサイクルによる
継続的な改善スピードをさらに高める

製造統括部 生産技術センタ 生産技術部 専任技師の古室 松美氏は、生産技術部内にある基盤技術開発グループに所属している。主なミッションは、生産効率の良いものづくりを実現し、 「短納期」「コスト削減」「品質の向上」という顧客ニーズに対して最大限に応えること。具体的には、もの(製品など)と情報の流し方の研究、工場内のレイアウト検討、生産計画・製造管理といった活動に取り組んでいる。
古室氏と同じく基盤技術開発グループに所属する、製造統括部 生産技術センタ 生産技術部の佐藤 充氏は「ものと情報の流し方改善は“CAP-Do”と呼ばれる手法に基づいて行われます」と説明する。

08_photo_05

「P D C A 」(Plan-Do-Check-Action)の順番を変え、問題解決型の管理サイクルを回すことで、生産現場の改善スピードを短縮できるメリットがある。しかし、以前の運用方法では、この「CAP-Do」サイクルを回すスピードが遅く、改善を実行するまでに多くの時間を費やしていた。この点が大きな課題となっていた。


二次元の平面図では現場との合意に時間がかかる

日立化成工業株式会社 製造統括部 生産技術センタ 生産技術部 専任技師 古室 松美 氏

生産技術部では以前、作業員の動線や設備のレイアウトを配置した平面図をExcelで作成していた平面図の作成は1日ほどで終了するが「改善案のイメージを製造部や生産技術部門の関係者と共有し、合意を得るまでにかなり時間がかかっていた」という。
「例えば、工場内のレイアウトを検討する際、二次元の平面図では作業員の動きをうまく表現できず、改善案のイメージが伝えきれませんでした。また、生産能力の検討では、過去の経験則に頼ることも多く、おおまかな生産能力を見積もることしかできないため、関係者の合意を得るのに時間がかかりました」と当時を振り返る。

そこで、これら課題の解決策を模索する中、シーイーシーによる提案を受け、製造ラインの最適化支援ツール「RaAP」を候補に挙げた。その後、基本講習やトライアル版の試用など充実したサポートを受け、「RaAP」の導入に至った。
2つのポイントが選定の決め手となった。
1つ目は、複数の解析結果が表示できること。他社製品の中には「最適解」を表示するツールもあったが「ツールを使って、複数案の中から検討する運用にしたかった」というのがその理由だ。
2つ目は、Windowsに準拠したインターフェイスで簡単に操作できること。「3Dシミュレーターは通常、複雑なプログラミングが必要になります。一方、“RaAP”はマウスを使って配置が変えられるなど、直感的に操作できる点がとても便利でした」と選定の理由について語る。

08_photo_07


導入から現在の活用まで

シミュレーション結果を参考に設備機器の削減を予測

日立化成工業株式会社 製造統括部 生産技術センタ 生産技術部 佐藤 充 氏

「新設ラインを設計するという案件が出てきました。そこでさっそく、Excelの平面図を使っていた運用を“RaAP”に切り替え、10人ほどいる現場関係者と改善案を共有しようと考えました」と佐藤氏は説明する。新設ラインの設計では主に、工場内のレイアウト検討と生産能力の検討という2点で「RaAP」を活用した。
工場内のレイアウトを検討する際、現場関係者に初めて3Dのシミュレーションモデルを見せたところ、大きな反響があったという。
「シミュレーションモデルを見た現場関係者から“これは分かりやすい”という声が上がりました。改善後のイメージが共有しやすくなったため、現場関係者から意見を引き出しやすくなりました。実際に、現場関係者から“材料置き場の位置を移動したい”“設備の向きを変えたい”という意見が次々と出てきました」と関係者の様子について語る。さらに「RaAP」の操作性についても満足している。Excelの平面図を使ってレイアウトを比較検討した際は、手作業で配置を変更する手間がかかっていた。しかし「RaAP」では、数値を変更するだけでシミュレーションモデルを修正できる。そのため、現場の声をすばやく画面上に反映できるようになったのだ。

08_photo_06


当初計画していた設備台数の10%~15%削減を実現

このように、「RaAP」導入によって現場との合意形成にスピード感が生まれ、「“CAP-Do”サイクルを回すスピードが速まった」と満足度は高い。生産能力の検討では、「RaAP」の機能の中でも、シミュレーション実行後のスループット(生産数)グラフを特に活用。具体的には、ラインの最終工程に設置する設備機器の生産量を画面上でシミュレーションした。
「これまでの運用は過去の経験則から生産数を予測するしかなく、精度の高い検証ができませんでした。“RaAP”では、複雑なシミュレーションパターンをもとに、改善後の数値を定量化できます。これにより、関係者への説得力が増しました」と説明する。
「RaAP」を活用した活動によって、新設ラインの設計というミッションを無事に達成した。シミュレーションを繰り返す中で「当初計画していた設備機器の台数を減らしても、目標生産数を達成できるという結論に至りました。実際に、設置予定だった設備機器を約10~15%削減することに成功しています」と導入効果を語る。


今後の展望

さらなる生産効率を目指し改善精度とスピードの飛躍的向上へ

今後、「RaAP」の活用範囲をさらに広げる構えだ。
1つ目は、生産計画に応用すること。「RaAP」の運用は現在、工場内のレイアウト検討と生産能力の検討という2点で活用している。これに生産計画を加え、「“原料の投入タイミングを変えた際、設備稼働率やリードタイムがどう変わるか”というような検証も行いたいですね。“RaAP”を活用すれば、より複雑な生産計画にも対応できると期待しています」と佐藤氏は語る。
2つ目は、今回「RaAP」を導入して実現した“成功モデル”を他部門にも展開すること。「レイアウト検討と生産能力の検討は、どの現場にも共通する課題です。生産技術部から他部門に対して、“RaAP”の活用方法をさらにアピールしていきたい」と今後の抱負を語る。
生産現場の改善活動にスピード感を生んだ「RaAP」。同社のものづくりを支えるツールとして、今後さらなる定着が期待できる。生産技術部による新たな提案が待ち遠しい。

08_photo_04

※ 文中に記載の会社名、役職名等は取材当時のものです。

RaAP導入の背景
  • 生産能力などを検討する際、過去の経験則から判断するしかなく、精度の高い予測が困難だった。
  • 製造部門や生産技術部門など現場関係者との合意形成を円滑にして、ものの流し方改善スピードを向上したかった。
  • 複雑な操作やプログラミングの知識を要せず、簡単かつ継続的に活用できるシミュレーションソフトを探していた。
RaAP導入の効果
  • 生産能力を定量化し、様々な仮説・条件を反映した改善案で精度の高い検証が可能になった。
  • 3D画面によって、現場関係者と改善後のイメージを共有しやすくなり、合意形成にかかる時間が短縮できた。
  • Windows準拠のインターフェイスで、直感的に操作ができるため、CAP-Doサイクルを回すスピードが向上した。